Blender 2.49bでRealFlight用飛行機モデルcricriを作るメモ (3)

.kexファイルの出力、RealFlightでの読み込み、飛行特性の設定についてのメモである。
最初のページ  前のページ

22..3DSファイルの作成

1).blenファイルの出力

  1. [User Preferences]の[File][Save|Save As][Save|Save As]で保存する。
  2. Explorerで.blendと同じフォルダに.tgaがあることを確認する。

2).3dsファイルの出力 (G3.5)

  1. [3D View][Object Mode][a]で全オブジェクトを選択。【重要】
  2. [User Preferences]の[File][Export][3D Studio 2KEX (.kex)]、ファイル名の".3ds"の前の部分をテクスチャーファイルのそれと同じ名前にして(本例ではcricri.3ds)、[export 3DS]で.3dsファイルを出力する。
  3. Explorerで"cricri.sup"と"cricri.kex"ができていることを確認する。
  4. Blenderのウィンドウを最小化し、スクリプトの実行結果を確認する。下記のようにDoneが出て特にエラーが出ていなければOK。collision meshの推奨メッセージが表示されてもRealFlightには取り込める。(collision meshを作成すれば、推奨表示は消える。)

----- スクリプトの実行結果の例 -----
You have exceeded 1200 polys [nnnn]. We suggest reduce the number of polys or use collision meshes.
Writing kex.
Model D:\Users\Public\Documents\3D\cricri\cricri_i\cricri.kex has 3582 polys.
Done.
3ds export time: 0.74

RealFlight 8~Evolution用:.fbxファイルの出力

RealFlight 8~Evolutionの場合は、.3dsではなく、.fbxを出力します。具体的には、[file]-[Export]-[RealFlight FBX (.fbx)]で.fbxを作成します。
また、.kexと.supは出力しないので、次の23.章の作業はできません。現状のRealFlight FBX Exporter(2018年1月29日版)は複数のコリジョンに対応していないのかも知れません。よって、~CS_COLLは作らない方が良いかもしれません。

23..supファイルの修正と.kexファイルの作成 (G3.5)

コリジョンメッシュを作成した場合のみ、.supファイルを書き換え、.kexファイルを作り直す。

.supファイルの名前の修正と.kexファイルの作成

  1. テキストエディタでexport_3ds2kex.pyが出力する.supファイルの中の"Name=~CS_COLL.*"を"Name=~CS_COLL"に書き換える。
    .supファイルの中身の一部
      [~CS_COLL.001]
      IsPivot=No
      Name=~CS_COLL.001   --->  これをName=~CS_COLLに書き換える。
      Parent=RootFrame
      Pivot
  2. 修正したcricri.supとcricri.3dsとcricri.tgaを3ds2kex.exeがあるフォルダにコピーする。本例では"C:\KEMAX"。
  3. Windowsの[スタート][全てのプログラム][アクセサリ][コマンドプロンプト]実行する。
  4. コマンドプロンプトで以下の入力する。
    cd c:\KEMAX[Enter]
    3ds2kex -v3 -s cricri.3ds[Enter]
*.supファイルの名前の修正マクロ(参考)

上記作業を一括して行う秀丸のキーマクロの例
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Hidemaruo\Hidemaru\Macro\に下記内容のテキストファイル(ファイル名:CS_COLL,MAC)を入れ、[マクロ(M)]{マクロ実行[X][CS_COLL.MAC][OK]。
※ 秀丸は有料ソフトである。単に文字列を検索して書き換えているだけなので、マクロが使える他のフリーのエディタでも同類のことができると思う。

    setcompatiblemode 15;
    gofiletop;
Start:
    searchdown "Name=~CS_COLL." , regular, nocasesense, hilight;
    if( ! result ){
         beep;
        endmacro;
    }
    appendcopy;
    beginsel;
    down;
    delete;
    insert "Name=~CS_COLL";
    insertreturn;
    goto Start;

24.RealFlightでの取り込みと設定

1)RealFlightへの取り込み

  1. RealFlightを起動し、[Aircraft]{Select Aircraft]でImportする飛行機と異なる名前の飛行機を選択しておく。
  2. [Simulation][Import][KEX...]でcricri.kex(G3.5)またはcricri.fbx(8~Evolution)を選択し[開く(O)]。同じColor Scheme(テクスチャー)|Aircraft(3Dモデル)|Aircraft Variant(飛行特性)の名前が既に使われているときは、"Import File Conflict!"ダイアログボックスが表示されるので、前のファイルをそのまま使うときはそのまま[Ok]、前のファイルが不要であれば"Overwrite the old file"をonにし[Ok]、前のファイルが必要であれば"Select a new name"をonし[Ok]
    RealFlightで前に設定した飛行特性を使うときは、"You already have a(n) Aircraft Variant named cricri."で"Do not import this file"を選択した状態で[OK]。初めての場合は似た飛行特性のモデルを選びます。
  3. 画面左下に"Aircraft cricri Import Successful!"が表示される。
  4. [Aircraft]{Select Aircraft][Custom Aircraft]でcricriを選択すると、飛行機が表示されるので[Ok]。もし、テクスチャーが乱れていたら、RealFlightを再起動し、正しくテクスチャーが表示されていることを確認する。プロペラの大きさ、数は、RealFlight側の設定で修正するので、気にしない。
    cricri_rf1.jpg(21256 byte)

2)RealFlightで飛行特性設定

  1. cricriが選択されている状態で[Aircraft][Edit cricri]、Aircraft Editorを開く。
  2. Aircraft Editor上部の[Options][Display Advanced Properties]をON、[Option][Units][Metric]をON、[View][Show Wireframe]をONにする。
    cricri_rf2.jpg(27985 byte)
    ワイヤーフレームがRealFlight上の飛行特性を決める飛行機である。これをBlenderで作成した表示上のモデルに合わせていく。
  3. Aircraft Editorの3D表示の操作方法
オブジェクトの位置と大きさの設定

主翼を例に説明する。

  1. 左下の[Airframe]の左の[+]をクリックして展開し[Main Wing]をクリック
  2. 右下のValueをクリック、値を修正して、3D画面の主翼が重なるようにする。 cricri_rf3.jpg(44862 byte) cricri_rf4.jpg(44237 byte) cricri_rf5.jpg(46425 byte)
  3. 主翼以外のオブジェクトも同様に大きさと位置を修正する。
    cricri_rf6.jpg(30873 byte)
モータからエンジンに変更
  1. Aircraft Editorの左下のリストの一番上の飛行機名"cricri"をクリック
  2. ParameterのPower Plant TypeのValueをクリックし、[Internal combusion Engine]を選択する。 cricri_rf7.jpg(33854 byte)
  3. 左下の[cricri]-[Airframe]-[Fuselage]の下に元からある[Engine]はシングルエンジンなので、[Engine]を右クリックし[Delete Component][OK]で消す。
  4. [Fuselage]を右クリックし[Add Symmetrical Engine]で双発エンジンを胴体に追加
    cricri_rf8.jpg(43954 byte)
  5. 右下のParameterの[Location in Parent(m)]を変更してエンジンに位置を合わせる。
  6. [Throttle Servo (Left|Right)]を[Throttle Servo]に設定。
  7. [Component Frame (Left|Right)]を[~CS_ENGINE2|~CS_ENGINE1]に設定(Blenderで設定した名前を選択)
    cricri_rf9.jpg(46893 byte)
  8. モータからエンジンに変えると自動的に動力用のバッテリが消え、Main Fuel Tankが追加されるので、Location in Parent (m)を変更して位置を修正する。
    cricri_tank1.jpg(36770 byte) cricri_tank2.jpg(43038 byte)
ステアリングギヤの回転方向

RealFlightは後輪を想定しているため、前輪の場合は回転を逆にする。[cricri][AirFrame][Fuselage][Steaeing Gear][Steering Servo Reverse]を[Yes]にする。
cricri_sg1.jpg(41820 byte)

重心位置の設定
  1. [cricri][AirFrame][Weight (g)]で全体の質量を確認しながら、各パーツの質量(例えば主輪なら[cricri][AirFrame][Fuselage][Main Gear][Main Wheel][Weight (g)])を修正する。
    cricri_mass1.jpg(43120 byte) cricri_mass2.jpg(45020 byte)
  2. [cricri][AirFrame][CG Adjustment (mm)]で重心位置を修正する。
    cricri_mass3.jpg(48890 byte) cricri_mass4.jpg(45755 byte)

後は飛行させて、各パラメータを調整して完成となる。
各パラメータの解説は、双葉のRealFlight G3.5の取扱説明書(日本語)に書いてある。また、RealFlight G3.5のインストールフォルダ(C:\Program Files (x86)\RealFlightG3\Documentation\English\)にも英語版の取扱説明書が格納されている。

25.その他(補足)

フライングテールの水平尾翼

cricriのように水平尾翼が1枚しかないものの名前の付け方

Blender側の操作
RealFlight側の操作
  1. [Aircraft][Edit][Airframe][Horizontal Tail][Compornent Frame (Left)]と[Compornent Frame (Right)]を空白に設定する。(水平尾翼のオブジェクトが無くなる)
  2. [Elevator][Compornent Frame (Left)]を"~CS_RME"に設定する。(左エレベータに右エレベータのオブジェクト名を割り当てる)

RealFlightで選択した時に、"Plane file refers to missing Component frame '~CS_*'"と表示される場合は、上記方法で当該のオブジェクト名を設定しているところを空白にする。

配布ファイルの作成

他のRealFlightに取り込むためのファイルの作成
ファイルの取り込み方

雑情報

飛行特性の設定参考情報

dhk79さんの機体設定に関するチュートリアル
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=17498(外部リンク)

ポリゴン数の制限

ポリゴン数の制限に関する情報
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=26690(外部リンク)

G4の機体作成参考情報

G4であるが、主要な部分はG3.5でも同じ。
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=18526(外部リンク)

光沢と表面の凸凹の設定

下記URLに光沢の設定に関する情報が記載されている。凸凹表面の表現もできるらしい。RealFlight G4.5以降の機能らしい。_n.tga、_s.tgaを使うらしい。私はG3.5なので確認できない。誰か日本語で解説してくれないかな? Blenderのバンプマップのようなものかな?
http://www.knifeedge.com/KEmax/normalspecular_tutorial.php(外部リンク)
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=25981(外部リンク)
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=25247(外部リンク)
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=28229(外部リンク)
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=28635(外部リンク)

プロペラの作り方

RealFlight Version 6.00.038以降の機能らしい。3ds2kex.exeが対応しているのかどうか不明。
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=28183(外部リンク)

モータ音の作り方

RealFlight Version 6.00.044以降の機能らしい。
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=28417(外部リンク)

Blender Tricks and Tips

abaserさんの記事。単純な立方体をBlenderで作成し、RealFlightへ取り込む手順を絵付きで解説。添付ファイルの拡張子を.pdfにすると読める。
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=28009(外部リンク)

3ds2kex.exeの問題

3ds Max以外でモデルを作成する場合、.3dsを出力して3ds2kex.exeで.kexに変換する必要があるが、.3dsフォーマットの制限により、問題が出る。これを回避するには、現時点では3ds Maxを使うしかない。http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=20003(外部リンク)

Blender exporterに関する情報

export_3ds2kex.pyが新しいBlenderで動かない理由について書いてある。export_3ds2kex.pyが何をしているのかが書かれている。そして現状の問題が解決する見通しが無いことから、新しいBlenderへの対応が無いと書いてあるような気がする。
http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=28195(外部リンク)

このスレッドの中にも、3ds2kex.exe(.3ds)の問題画像が掲載されている。個人的には、3ds Maxを買う気にはなれないので、この問題が解決しなくても新Blenderに対応して欲しいのだが。knifeedgeさんが、,kexの内容を公開してくれるか、.3dsを使用しない、kex Converterを出してくれると嬉しいのだが。望みは無さそうである。
http://www.knifeedge.com/forums/showpost.php?p=223611&postcount=24(外部リンク)

FMSのXファイルをRealFlightで利用

Importing x file to Real Flight G3.5を参照。

Blender 2.49bと2.6x

Blender 2.6xでモデルを作成し、Legacy Mesh Formatで出力し、2.49bで読んでkexに変換することもできるらしい(http://www.knifeedge.com/forums/showpost.php?p=243182&postcount=106)。しかし、2.49bで実装されていない機能(BMESH/NGON他)を使うとうまく行かならしい。BMESH/NGONなどの機能を使えないなら、2.6xを使う意味は無いように思うので、最初から2.49bを使ったほうがトラブルが少ないと思う。但し、徐々に2.4xの情報は減っているので、情報収集は早めのほうが良い。書籍も古本で入手するしかない。

RealFlight8 and Blender with FBX import

下記記事の中に「FBX export for making custom RealFlight 8 models」へのリンクがあり、そこにrobertlong13さんが作ったPythonのスクリプトがあります。これをBlenderに入れて.FBXを作ります。RealFlight 8で、FBXを取り込みます。
記事 : http://www.knifeedge.com/forums/showthread.php?t=32818(外部リンク)
スクリプト : https://github.com/robertlong13/io_scene_realflight(外部リンク)
やってみた : http://bigarrow.tea-nifty.com/blog/2018/09/realflight8-and.html

下記記事に、RealFlight9 と BLENDER 2.83 と REALFLIGHT FBX EXPORTER 0.3.1では、引き込み脚が動作しないと書いてあります。
REALFLIGHTの機体を作る(メモ) : https://www.catv296.ne.jp/~myergo/rf_model.html(外部リンク)


戻る

2018/08/05 Since 2012/02/19